3・4年生の臨床実習は、大学にある東西医学統合医療センターで整形外科、神経内科、内科、漢方外来などの外来見学実習と、同医療センターの施術所及び手技鍼灸実習棟で鍼灸専任教員の指導による鍼灸とあん摩マッサージ指圧の実習が行われます。
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本学の鍼灸学専攻は、現代医学と東洋医学の優れたところを融合し、高度の知識と技術を持った医療従事者を養成するためのカリキュラムを編成しています。これからの日本の鍼灸・あん摩マッサージ指圧界をリードしていく鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師を養成することを目的としています。従って現代医学を深く学ぶための科目が用意されています。基礎医学では、解剖学、生理学、衛生学・公衆衛生学、微生物学・免疫学などが、また臨床医学では、内科学、整形外科学、神経内科学、小児科学などがあります。東洋医学の専門科目も、鍼灸学、あん摩、マッサージ、指圧などの科目が細かく分かれていて、それぞれについての講義と実習が行われます。
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鍼灸は、シンキュウと読みます。鍼灸は、体表(皮膚・筋など)に特定の刺激部位を選択し、鍼やモグサを用いて機械的刺激や温熱刺激を与える方法で、各種症状に対し治療を行う医療技術です。2,000年前、中国で誕生した医学ですが、6世紀に日本に伝えられてすでに1,500年が経ち、日本の伝統的な医学ということが出来ます。鍼灸は、漢方薬、あんま・指圧・マッサージなどと同様に、東洋医学の一分野です。
東洋医学の講義は、医学部のある大学および医科大学80校のすべてで行われています。大阪大学、筑波大学、東京大学、東北大学、三重大学、北里大学、慶応義塾大学、埼玉医大、東海大学、東京女子医大など多くの大学で、漢方薬や、はり・きゅうを研究し、現代医学の中に活かす試みがなされています。また、麻酔科、整形外科、脳神経外科、神経内科、泌尿器科、リハビリ科、産婦人科、精神科など、多くの診療科で鍼灸治療が行われています。一方、オリンピック選手や相撲、野球、サッカーなどのプロの選手を対象として、スポーツトレーナーが行う治療や、スポーツクラブなどでの一般の方へ行う治療の中に、鍼灸やあん摩が取り入れられています。また、銀行、デパート、企業などの従業員の健康管理を行う鍼灸師・あん摩師(ヘルスキーパー)も増えています。その他、末期癌の患者やホスピスでのターミナルケア(終末期医療)、寝たきりのお年寄りの看護や健康維持にも、東洋医学の手法や考え方は今後大いに役立つことが期待されています。アメリカでも、1997年に国立衛生研究所(NIH)が、はりの有効性を一部認め、保険適用を勧告しています。また、2000年には英国医師会(BMA)が、鍼を医学部教育に積極的に取り入れることを推奨するレポートを出し、2007年には、ドイツで鍼の医療保険適用が始まり、鍼灸は、現代の医療の中に積極的に取り入れられつつあります。さらに、2006年には、WHO(世界保健機関)が、鍼灸治療の刺激部位であるツボの位置を標準化したことを始め、現在、東洋医学の普及のための世界基準作りが進み、世界の多くの国々に鍼灸が普及しつつあります。
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